乳房・乳頭の発育は思春期に完了します。陥没乳頭が18歳以降に改善することはありませんので、18歳以上の方は手術可能です。18歳未満の方は、保護者の承諾書が必要です。
成長期は胸の発達に伴って、自然に乳頭が出てくる場合もあるので、18歳以上で成長期が終わってからの手術をお勧めしています。
保険適応の場合、3割負担で片側につき約2万5千円、両側で約5万円となります。40歳以上の方は保険適応外で、自費診療となります。自費手術の費用については、ホームページ価格表をご参照下さい。
保険診療制度では授乳障害がある場合は保険が効きますが、単なる美容目的の場合は保険が効きません。具体的には40歳未満で今後授乳する可能性があり、過去に乳腺炎を起こしている場合や、真性の陥没乳頭があり授乳ができないと医師が判断した場合に、保険適用となります。
女性は中学生になる頃に第二次性徴(体つきが女性らしくなる)によって乳房が発育し、それに伴って乳頭が外に出てきます。しかし中には乳房が発達しても乳頭だけが取り残されて凹んだままのことが約10~20%あります。 このような先天的な場合に加えて、もともと出ていた乳頭が後天的に陥没したような場合は悪性腫瘍との鑑別を要する場合もありますので注意が必要です。
明確な原因は不明ですが、陥没乳頭は乳房が小さい人に少なく、乳腺が発達している人に多い傾向があります。このことは乳腺の発達に対して乳管の発達が追いつかずに乳頭だけが中に取り残されていると推測されます。また母親が陥没乳頭だと娘も陥没乳頭であることがありますが、遺伝性の疾患ということではなく、子の形質が親に似たということでしょう。
乳腺外科は乳腺疾患の専門家ですが美容的手技は必ずしも得意ではありません。産婦人科は授乳や乳腺炎の相談はしてもらえますが、乳頭形成の専門ではありません。美容外科は形をきれいにしてくれるでしょうが、授乳機能を温存してくれるか不安です。術後の授乳や乳腺炎の相談にも乗ってくれる乳腺専門の形成外科医を探しましょう。
陥没乳頭手術に求められることは、傷を残さない、乳管を切らない、元に戻らないの3条件です。しかし一般的な手術は乳頭基部の乳輪の皮膚をギザギザに切る方法で傷が残ります。または乳頭を出すために乳管を切る術式もあります。これでは授乳は困難となり乳腺炎を起こしやすくなります。当院では、乳頭基部の2カ所の小さなキズから乳管の周囲を剥がし、乳頭を外に出す埋没法と呼ばれる手術を行っています。
局所麻酔の手術で片側15分から20分程度です。術後はリカバリールームで10分程度安静にして出血がないことを確認してから帰宅していただきます。
手術の翌日からデスクワークは可能です。手術2日後からシャワー浴、7日後から入浴が可能です。抜糸が必要な場合は手術2週間後に行います。スポーツや性行為は3週間後から可能です。
術後の通院は、手術の2週間後、2ヶ月後、半年後に行います。半年後の再診で問題がなければ陥没乳頭の通院は終了です。以後希望者には1年1度定期検診を行っていきます。
陥没乳頭術後に再び乳頭が陥没することを再発といいます。うつ伏せ寝などで胸を圧迫すると再発しやすくなります。ナグモクリニックでは手術後乳頭の圧迫を避けるための保護器をお渡ししています。手術で乳管を切ると再発しにくくなりますが、授乳ができなくなるのでお勧めしません。
乳頭吸引器があります。乳頭を覆うようにカップをつけ、ポンプや注射器で内部の空気を抜くことで陥没している乳頭を外に出し、くせつけるものになります。しかし長時間装着する必要があり、人によっては痛みや傷が出来ることがありますので注意が必要です。また引き込みの強い陥没乳頭、乳腺炎の既往がある方や乳頭が平坦な「平坦乳頭」では効果が期待できないでしょう。
陥没乳頭は授乳障害、乳腺炎の原因になります。 陥没乳頭は美容的な見た目だけの問題ではなく、機能と健康の観点からも問題があります。陥没乳頭のままでは赤ちゃんが上手く吸えず授乳が困難ですし、陥没した乳頭に汚れが溜まることで臭いの原因となり、また雑菌が繁殖し乳腺炎を引き起こす原因にもなります。以上より早めに治療されることをお勧めします。
私の乳首はへこんでいます。こんなこと、恥ずかしくて親にも友達にも相談できず、一人で悩んでいる毎日です。へこんでいる乳首を、普通の女性のような乳首にすることはできますか?
乳首がへこんでいる状態を「陥没乳頭」と言います。若い女性に多い疾患で、日本人女性の約3割は陥没乳頭だというデータもあります。原因となるのは、「乳管」というお乳が通る管の発育不全です。見た目の問題だけでなく、乳首がへこんでいるとおヘソの穴のようにゴミがたまって不衛生になり、雑菌が繁殖しやすくなります。そのため、乳腺炎という病気になる確率も高くなります。また、そのままでは授乳も困難です。陥没乳頭は美容的にも問題ですが、それよりも機能上の問題として、出産までに手術で治すことをおすすめします。状態、条件により保険で治療も可能です。(詳しくは当院までお問合せ下さい)
私の乳首はへこんでいます。いったいどうして?何が原因なのでしょうか?
へこんでいる乳首のことを「陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)」と言います。原因となるのは、乳腺というお乳をつくる器官と乳管というお乳が通る管の発育のアンバランス。乳管が乳首を引き込んでしまうために起こります。陥没乳頭の治療は保険が適用できる場合もあります。(詳しくは当院までお問合せ下さい)
私の乳首は普段はへこんでいるのですが、刺激を与えると出てきます。それでも、治療を受けたほうがいいのでしょうか?
おそらく、あなたの場合は仮性の陥没乳頭です。仮性の場合は授乳が可能なこともありますが、真性の場合と同様、乳腺炎という病気になるリスクが高いので、治療を受けられたほうがいいでしょう。
陥没乳頭には、真性と仮性があると聞きました。自分で見分ける方法があれば、教えてください。
指で刺激を与えても外に出ないもの、出方が不十分でくびれがないもの、中央がくぼんでいるものは「真性」です。刺激を与えればすぐに外に出るもの、完全なくびれができるもの、すぐにくぼまないものは「仮性」です。
陥没乳頭の治療には、公的保険が適用される場合があると聞きました。保険適用の条件を教えてください。
対象となるのは、40歳未満で今後授乳の予定がある方です。陥没乳頭が原因で授乳に障害があると思われる場合、または授乳が困難であると思われる場合に公的保険が適用されます。最終的には医師の判断によりますので、まずは診察を受けてください。
乳首が陥没しているのですが、そのままにしておいても大丈夫?それとも、治しておくべきでしょうか?
陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)は、若い女性に多い疾患です。美容的な見た目の問題だけでなく、健康や機能の観点からも問題があります。まず、そのままでは授乳が困難です。また、へこんでいる部分に汚れがたまり、不衛生な状態になり、雑菌が繁殖しやすくなります。そのため、乳腺炎という病気になるリスクも高くなります。以上の理由から、陥没乳頭は出産までに治療した方がよい疾患です。状態、条件により保険での治療も可能です。(詳しくは当院までお問合せ下さい)
へこんだ乳首を外に出す治療 保険が適用される場合も
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