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会長挨拶




GID医療をより身近なものに


  GID(性同一性障害)学会 第13回研究大会を開催するにあたりご挨拶申し上げます。

  日本で初の性別適合手術が行われて13年目となる2011年、GID(性同一性障害)学会第13回研究大会を開催いたします、ナグモクリニックの山口悟と申します。
  この13年の間に、性同一性障害を取り巻く環境は驚くほどの変化をとげました。診療を行う精神科や手術を行う医療機関の数も増え、法整備も進み、戸籍変更が可能なまでになりました。

  しかしながら、まだまだ対応可能な医療機関の数は限られ、精神科や外科手術の待機期間は一般的な許容範囲を逸脱している地域がほとんどです。地域によっては、医療機関の受診そのものが実質不可能であり、当事者にとって希望の光がまったく見いだせない状況です。

  こうした現在のGID医療の偏在した供給状況を改善し、日本のあらゆる地域で、あたりまえのように診療を行いたいという願いを込め、本研究会のテーマとして「GID医療をより身近なものに」と掲げさせていただきました。あらゆる地域の専門家や当事者の方々が一堂に会して意見交換をし、親交を深め、将来へ役に立てられるような学会にしたいと考えております。

  また近年、医療機関を受診する当事者の若年化が顕著となっています。そのため医療機関のみならず、教育機関での対応も社会的関心事となってきております。そこで今回教育関係者にも広くお声がけをして、患者の若年化が持つ問題点を共有し、教育の現場で役に立つようなシンポジウムも企画しております。

  GID(性同一性障害)学会第13回研究大会が皆様の思い出に残る会となるよう全力で準備することを誓いましてご挨拶とさせていただきます。


GID(性同一性障害)学会       
第13回研究大会会長 山口  悟